異世界失格 第11話 『君の物語を書き終えるまでは、死ぬわけにいかない』 感想

2024-09-20
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「僕は作家だ」
「キミが欲しかったのは何だったのかね?」
「キミの本当の思いを描きたい」


既に百合子の心境を見抜いているかのように執筆をつづけるセンセ―。
リアル太宰も、欲に溺れた人間の醜き心境に心を躍らせながら筆を執っていたのかもしれない。
今回ばかりはセンセ―も「死ねない」ようで、
彼女に向って真っすぐに歩いている様はなかなかに印象的
執筆意欲に逆らえない、そんなセンセ―の異常な執念を感じるところでありますね。

おそらくセンセ―はあの姉妹に隠された愛情を感じ取っていたんだと思います
もちろんそれは妹から様々話を聞いたうえでありましたが、
その中で生じる悲しきすれ違い、愛憎、
誰からにも愛されたいと願う百合子の承認欲求、行き過ぎた言動
それら諸々にセンセ―は共感力を抱いたのではないかと。

何ならこうした百合子の強欲も人間だとしたら当たり前なもので、
恥じることのない人間らしいものと評しているところが面白いです。
2人の確かな「愛情」を感じ取ったのではないかと思います。

様々な女性と関係を持った太宰
だからこそ、愛すること、承認欲求、認められたい気持ちや独占欲・強欲さには敏感だったともいえるのかなと。


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そんな彼女の「心の闇」に気づき、

少し不器用なだけの、心優しき少女」と評するところに、
作家であるセンセ―だけが表現できる、人間の繊細さを見抜く素質があるのではないかと思いますね。
そしてそこから、妹がどれだけ姉を思い慈しんでいたのかを伝えるくだりが、
センセ―(作家)だからできる技。なのではないかと思います
普段だったら偏屈なことを言って終了なのだがwww

この辺りはとても秀逸で、作家の設定が活かされていました。
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「こんな美しい物語は、僕の手で完結させるべきではないだろう」

センセ―が見抜いた姉妹の愛情
そして最終的にはストーリーテラーを用いて、二人の姉妹を救済させる流れはとても見ごたえあり、人間の心の闇と救済の両立を緩急つけて表現した見事な秀作だったと私は感じました
異世界転生・異世界転移系が跋扈する中で、
これほど骨太なシナリオが見れたのは久しぶりな感覚ですね。


異世界失格【単話】(68) (ビッグコミックス)
若松卓宏
小学館
2024-07-24

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ゲイルのアニメ日記
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